シロアリってどんなん?

株式会社 ヤマト白蟻研究所

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シロアリってどんなん?

シロアリってどんなん?

シロアリの生息域

人類が生まれるより遥か昔、1億年も前から生き延びているシロアリは、世界中に約2,500種類が生息しています。そのうち家に被害を与えるのはたった2%だけなのです。

日本では「シロアリ」と言えば、「白いアリ」というイメージですが、種類によっては必ずしも白いとは限りません。
羽アリになり飛翔する個体は、茶褐色から黒色に近いのです。
普段よく見るアリ(黒蟻)と親戚ではなく、むしろゴキブリに近い仲間なのです。
しかし、アリ(黒蟻)やハチなどのように、高度な社会生活を営んでいます。

日本で発生している主な種類はヤマトシロアリとイエシロアリの2種類です。あと、アメリカカンザイシロアリも少数ですが、最近輸入家具などから日本に入ってきています。

ヤマトシロアリは主に日本海域に住んでいて、土台や柱、床下、敷居などの建物下部に発生することが多いです。イエシロアリは、関東以西の太平洋岸に沿った温暖な地域に生息しています。被害が大きいのはイエシロアリの方で、この種類は水分を運ぶ能力に優れており、乾燥した木材でも水で湿らせながら食べてしまいます。
ヤマトシロアリ分布図 イエシロアリ分布図
アメリカカンザイシロアリ分布図 ダイコクシロアリ分布図

通常シロアリは個体が裸で活動することはなく、蟻道や泥線を集団的「外骨格」のように利用し、それをアメーバのように変形させて活動する統合生物です。そして、彼らは人間から与えられたコンクリートの環境にうまく適応しているのです。

ここではヤマトシロアリとコンクリートの関係について明らかにします。

建物とシロアリについて

コンクリートはシロアリに、活動エリアと密閉度を提供した
自然界でのシロアリは、地表での活動をほとんど行いません。それは、地表というものが蟻道を構築するにはあまりにも柔らかくて不確かだからです。
雨が降れば流されるし、外気の動きがあまりに強烈だからです。そのうえ、アリやムカデといった徘徊性の天敵がとても多いことも上げられます。

多くの場合、自然界のシロアリは大きな石や倒木の裏側、あるいは木の根や固さの異なる土の境目などに沿ってトンネルや蟻道を作って活動します。蟻道を柔らかな地表に構築するには、かなり壁の厚いものでなければだめで、そうなるとかなりの時間と労力が必要です。ところが、硬いものに沿って蟻道を作れば、蟻道自体は柔らかでも安定するし、活動も速くなります。

人間が作った平らなコンクリートは、蟻道を作る上で必要な「硬さ」と「密閉性」をシロアリに与えてしまったのです。こうしてシロアリは風雨や外敵から守られるだけでなく、コンクリートの板の裏側に沿っていけば、自由に活動できる環境を手にしたのです。

コンクリートは有益な生物活動をシャットアウトした

地表には独特の生態系が存在し、昆虫などの小動物や微生物が入り乱れて生息しています。昆虫などの土中活動は地下に外気をもたらし、好気性の微生物の活性化を促し、微生物の活動は土壌成分に影響を与え、多くの植物や動物に生育環境を提供しています。

家屋の床下も独自の生態系がありますが、野外と比べて栄養の消費が非常に少ない場所です。
それでも、生き物の死骸だけでなく小さな木片も含む、すべての生物遺体は他の生物の栄養として利用されています。
地表と地下は自然の状態では常につながりあって生物の活動の場となり、それはやがて人間にも関わってきます。

土壌に住む微生物や木材を腐らせる菌類が、化学物質をうまく分解することは多くの研究者によって明らかにされており、人間の体の内外の微生物ともつながりあっているのです。だから、土壌を身近にひきつけて暮らすことは人間が自然の中で暮らす上では極めて重要な要素なのです。
家屋の床下や家屋の周囲をコンクリートで封殺してしまうのは、土中と地表のつながりを断ち切り、人間にとっても有益な生物活動を消滅させることを意味するのです。

シロアリとクロアリの違い

1.アリの触角は「く」の字状をしていますが、シロアリの触角は真珠のネックレスのように珠状をしています。
2.アリの翅は前翅が後翅より大きいのに対して、シロアリの翅は4枚ともほぼ同じ大きさで同じ形をしています。
3.アリは腰の部分がハチのように細くくびれていますが、シロアリは細くなっておりません。

シロアリの生態

シロアリの生態の大きな特徴は、兵隊アリや働きアリなどの階級があり、各階級はそれぞれの役割を担当し、コロニーと呼ばれる巣全体を一つの社会として生息する「社会性昆虫」であると言うことです。コロニー全体がひとつの生命体として働き、コロニーの存続のためには、個体の生命を犠牲にすることはいといません。それぞれの階級が、それぞれの役割を果たしています。

シロアリは昼夜問わず、24時間活動します。種類により、成長したコロニーでは十万単位のシロアリが生息し、女王は毎日何千という卵を産むと言われています。職蟻・兵蟻の寿命は平均的には2年程で、ある種においては、女王の寿命が20〜30年と言われています。

被害を出す種の多くは、コロニーの維持の為に高い湿度を必要とします。シロアリの外皮は薄く、成虫になるまでに数度の脱皮を行います。外皮が乾燥しきるとシロアリは生きられません。生息には水分を必要とする為、家屋においては、通風の少なく湿った場所にひきつけられます。床下や風呂、トイレなどの水回りが代表的にあげられ、他にも、常に水分のある場所であれば、シロアリはひきつけられる可能性があります。種により異なりますが、1.5mm程度の隙間があればシロアリは通り抜けるであろうと言われています。

アメリカカンザイシロアリの生態

アメリカカンザイシロアリは、ヤマトシロアリやイエシロアリのような土壌性のシロアリとは異なり、常に材中に孔道を掘って生活しています。
また、特別に加工した巣や蟻道は作らず、最大でも数千頭からなる小規模なコロニーを作ります。

アメリカカンザイシロアリの職蟻は、全ての個体が生殖虫になる事ができる事から、「擬職蟻」と呼ばれる事があります。
この性質から1対の擬職蟻からでもコロニー再生が可能となり、完全に駆除を行わなければ再発してしまう可能性があります。
アメリカカンザイシロアリは、1年中郡飛している可能性も考えられています。

アメリカカンザイシロアリの被害

アメリカカンザイシロアリの被害は、基本的に各コロニーに分散しているので、家屋内で分散して被害が見られる場合が多いです。被害の進行速度は遅く、被害箇所自体も屋根部材などである事から、被害の発見が遅れてしまう場合があります。
上記のような事から、生息を始めてから被害が見つかるまで、10年程かかる場合があると言われています。

アメリカカンザイシロアリの駆除は、現在のところ試行錯誤が繰り返されていますが、完全駆除は非常に難しいです。
主に当社が行っている処理は、

1.被害部の徹底的な調査
2.被害部への薬剤注入
3.施工後数年間に渡る定期的調査と再施工

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